第297回 2011.09.12
宋 文洲様のメールマガジンより
御存知の方は多いかと思いますがソフトブレーン株式会社の創業者で、現在は経営コンサルタントや経済評論家として活動をしておられます。
また、NHK総合「仕事ハッケン伝」にもレギュラー出演しておられ、専門家としてそれぞれの会社の特徴や成功の秘訣についてのコメントをしておられました。
宋様との面識はございませんが、2・3年位前から宋様のメールマガジンが届くようになりました。
非常に内容が濃いものばかりで、毎回楽しみにしております。
今回届いたマガジンも興味深い内容なので紹介させていただきます。
本物リーダーの生まれ方
宋 文洲
料亭の生簀に小さな魚群が泳いでいます。常連客がそれを見つめているうちに
あることに気付きました。先頭を走っている魚がいつも同じで、その少し後ろ
に付いている魚もだいたい決まっています。つまり、リーダーが居てその左右
を固めるNo.2とNo.3が居るということです。
この常連客がとても好奇心旺盛な方で魚のリーダーが居なくなった場合、次の
リーダーに誰がなるか、どうなるかが気になりました。彼が店主にお願いして
リーダーの魚を生簀から取り出すことにしました。
さて皆さん、急にリーダーの居なくなった魚群がどうなったと思いますか。新
しいリーダーが誕生するのでしょうか。誕生するとしたら、誰がリーダーにな
るか、どうやってなるか。読み進む前に少しばかり目を閉じて考えていただけ
ますでしょうか・・・。
No.2かNo.3がリーダーになると考える方が多いかもしれませんが、正解は違い
ます。魚群がしばらく混乱と無秩序に陥りますが、やがて再び魚群を成して泳
ぎだすのです。その時も必ず先頭を走るリーダーが居ますが、なんとリーダー
の魚は元のNo.2でもなくNo.3でもなく、見たことのない魚でした。
経営アドバイザーをやってきたここ数年、たくさんの後継者選びをみてきまし
たが、正直成功事例が少ないのです。長年をかけて「後継者を育てる」と豪語
した社長に限ってその後継者が冴えないケースが多いのです。
国家も同じです。スターリンも毛沢東も後継者の育成と指名で悩み続けました。
死ぬまで悩んだ結果の後継者が彼らの死後に必ず短命で終わります。本物リー
ダーにとって代わられるのです。
リーダーは元リーダーが選ぶものではありません。闘争によってのみ本物リー
ダーが生まれるのです。その闘争の形が自由選挙か、人心掌握かはともかくと
して闘争はリーダーとしての力量を正しく測定する唯一の方法なのです。
リーダーの力量を測定している間はトップ不在のトップ争いが続きます。その
闘争は醜いものであったり、不透明であったりします。闘争の間の組織は方向
性を失い、彷徨い続けるガウス状態に陥るのです。
しかし、その混乱と混迷からやがて本物リーダーが生まれるのです。宇宙の粉
塵から巨星が生まれるように、天地の混沌から神が生まれるように、経営危機
から名経営者が生まれるように。
名経営者が選んだ経営者はほとんど冴えません。天才指導者が育てた後継者は
ほとんど権力の頂点に留まれません(世襲は例外)。これはなぜでしょうか。
それは本物リーダーが選ばれるものではなく、混乱や困難を通じて生まれるも
のだからです。
民主主義になったからといってこの原則が動揺するものではありません。日本
の政治をみれば一目瞭然です。5年間で7人もリーダーを選んだのですが、本物
リーダーが出現したとあなたは思うでしょうか。
でも大丈夫。やがて本物リーダーが生まれます。あなたが選ばなくても。
(終わり)
いかがだったでしょうか、私にはよく理解できました。
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