第7回 2005.11.14
営業マン時代の思い出
私が営業マン時代の思い出のお客様をもう一方ご紹介いたします、結果的に営業マンとして大事なことを教わることになりました。
その方は横須賀で大きな家具店を営んでおられて、年齢は50歳くらいの男性社長さんでした。
私が飛び込み営業で伺ったところお客様と商談中でしたので、私は勝手に2階売り場に上がり、店内を見て回り一階に下りていったところその社長さんに
“お前はどこの営業マンだ、出て行け”
と怒鳴られ、私は店を後にしました。
その日は仕事をする気分にもなれず、礼儀を欠いたことは分かるがあの怒鳴られ方、どこがそれほど悪かったのかその日私は早めに退社し、営業に関した本を2冊買い、必死になり読みました。
私の心の中は“砂漠の砂”の状態だったのでしょう、たった1行を見逃しませんでした。
早速翌日朝1番でその店に伺い明るく大きな声で
“おはよう御座います”と挨拶すると社長夫婦はびっくりした顔で、
“何をしにきたんだ”
私は“こちらの店の売り上げを上げるためにきましたので2,3分だけ時間をください”と答えると、
“こちらに来なさい”とカウンターに呼んでくださいました。
私は、自分に任されたら売り場面積あたり売り上げを2倍にするよう申し上げたところ社長さんは、
“それでは売れなかったときは支払わなくていいってことだね”
私“・・・・そういうことです”と答えていた。
売り場を任され商品は展示したのですが、一向に売れなく正直焦りました。
かろうじて締め日前日最初の売り上げが発生しました。
その後は従業員の皆様から協力していただいた事もあり結果、約束をはるかに上回ることになりました。
それから約半年後担当を交代することになり、挨拶に伺ったところ社長、
“俺はお前の会社から物を買っていたんではない、お前から買っていたんだから、担当が替わるんだったら買わない”
結局その言葉通りになってしまい、会社を思えば残念だったのですが、そのときばかりは“営業マンになってよかった”
あれから約30年、ご健在でしたらぜひ会いたいですね・・・・。