第557回 2023.01.09
日本食はバランスのとれた健康食
会長:小原御郎
3分間スピーチ例文集「日本を語ろう」
海外に行って自国のことを大いに語ってください。
伝統的な日本食を「和食」ともいいます。和食が2013年、ユネスコの無形文化遺産に登録されたことを知っている方もいると思います。
その背景には、料理だけではなく、日本の食文化に対する評価があったようです。
地域ごとの食材や調理方法によって、その土地に根ざした食文化があること、お正月などの年中行事には決まった料理があること、どの料理も季節の自然食材が使われ、見た目にも美しいということ。それ以上に、和食は栄養的にバランスが取れた健康的な食事であるということに評価が集まったようです。
1977年にアメリカで発表されたマクガバンレポートというものがあります。これは、肉食中心のアメリア人の食事は人体に悪影響があるとして、食生活を改善するように促した食に関するレポートです。これによると、理想的な食事のデータと日本の伝統食のデータがほぼ一致しています。そのためか、発表以来、和食は世界中で注目されるようになりました。
では、和食とはどんな食事でしょうか。
日本では昔から、主食のご飯と、味噌汁、根菜類のおかずが一品という「一汁一菜」の食事が基本でした。時には魚や野菜のおかずがもう一品つくことがありますが、穀物が中心のとてもシンプルな食事です。
和食のバランスの良さは、日本人の歯に表れています。穀物などをすりつぶす歯が62.5%、野菜や果物を髪切る葉が25%、肉や魚を嚙み切る葉が12.5%となっており、何をどのように食べればいいかが歯の構成にはっきりと示されています。これは、日本人の長い食生活において自然に出来上がった形です。
もちろん、現代においてすべての日本人が和食ばかり食べているわけではありません。食事の内容は時代とともに様変わりしています。しかし、日本人の根底に流れている自然観や伝統を大切にしようとする心は、和食にこそ凝縮されています。
人間も自然の一部と考える日本人は、バランスのとれた自然界の手本にしています。季節に合った食事をとろうとするのも、それが理にかなっているからです。夏に採れる野菜はほてった体を冷やす作用があり、冬の野菜は体を温めます。春や秋に採れたものは体に溜まった疲れや毒素を排出します。
和食とは、栄養もさることながら、味覚や色彩、香り、音、舌触りといった五感を刺激し、体のバランスを整える「調和の食」ということでもあるのです。
ひとくちメモ
◆日本では東洋思想の陰陽五行説をさまざまなものに取り入れています。そのひとつが和食です。自然界のあらゆるものは陰と陽に分けられるとし、陰は月や数字の偶数を表し、陽は太陽と奇数を表します。また、五行というのは、地球上のすべて木火土金水の5つの要素から成り立ち、この作用と循環で自然界が構成されていると考えます。
◆味覚である酸味、苦味、甘味、辛味、塩辛味を五味といい、身体の臓器である肝臓、心臓、脾臓、肺、腎臓を五臓といいます。それぞれ木火土金水に当てはめ、何がどこに作用しているのかを見分けています。その時に相性がいい循環を相性、相手を滅ぼしていく関係を相剋としています。
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