第534回 2022.07.18
龍の彫刻
ちょっと変わったご依頼が無事に終了しました。
以前からのお客様に相談され、お手持ちの材料に彫刻を施しました。
昔、購入された板だそうですが、もともと彫刻もいれてもらうように依頼したそうです。
しかし彫刻がされていなく、出来なかったのかなと思いながらそのまま引き取って置いていたそうです。
できますか?というお話からでしたが、
弊社のご供養家具でも彫刻を施したりの意匠もありますが、
龍を彫って欲しいというのははじめてで、しかも大きい。
彫刻は寺社仏閣を専門にしている職人さんにちゃんとお願いしました。
弊社で請けるのは分野が違うかもと思いながら、それができる職人さんは知っていたので
ひとまずお客様のご要望を聞きながら、お請けできるかどうかの始まりでした。
お客様からご要望を聞きながら龍ってオスとメスいるの?という質問をされ、
えっ!?性別ってあるのかな?と、思いながら考えたこともなかったことを調べたり、
(オスメスありました。区別は表情だったり、彫り方で差をつけるそうです)
龍について調べていくと爪の本数が3本・4本・5本の違いがあります。
5本の爪は中国では最高位の王、皇帝しか使用できかったそうです。
また、中国ではその爪の数が”位”を表しています。
しかし、日本では京都にある有名な天井画でも3本~5本などそれぞれがあります。
絵師によっての想いか、正解不正解もそこにはない感じでした。
調べてもどれも諸説が違い、正解は無い感じでしたので。
ちなみに沖縄でははっきりしていて4本が主流です。
という事から、お客様と相談してご依頼品の龍の爪については職人に任せる事にしました。
ある程度の要望を伝えながらラフな絵様をいくつか作ってもらいました。
その絵様によって印象が全然違い、そこからまたさらにいくつか要望を伝えながら。
最終的に龍の身体が全体が綺麗にはいる絵様、昇竜のような絵様が龍らしさがあるので決定となりました。
そこからさらに詳細にしてもらい、全体のバランスを確認。
ここから2カ月程は職人にお任せし、出来上がりを気にしつつでした。
彫る前はわかりませんでしたが、とても綺麗な赤色の木材でした。
板自体は厚み50㎜程でしたが、広葉樹の堅木なのでそこまで彫れないのではと思いながらでした。
けっこうしっかりと彫ってもらえ、立体感が表現されてとてもすばらしかったです!
角度によって見え方も違いました。
寺社で使うのはひのき材が多いので、こうした広葉樹で彫る機会はほぼないそうです。
広葉樹の堅木にとても硬いポリエステル塗装(ピアノ塗装)でもあったので苦労したそうです。
お時間もかかるご依頼で運ぶのも緊張感がいりましたが無事にお渡しできてひと安心でした。
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