第261回 2010.12.20
今までに製作した中から
これまでいろんな家具を作ってまいりました。
最近、施工写真を整理していまして、思い出に残っているものもたくさん見つかりました。
その中から特に印象深いものを紹介いたします。
「ルナ君のイス」
たぶん7・8年位前になるかと思いますが、NHKのたぶん「NHKスペシャル」だったかと思います。
脳に障害を持った天才児「ルナ君」が紹介されました。
このイスはルナ君のために作った特殊なイスで、放映中にも見ることができました。
この放映では、あまりにも衝撃的な内容だったため色々議論がおき、週刊誌なども半年くらいに渡って取り上げていました。
このイスを作った経緯は、ルナ君をボランティアでマッサージしておられる先生から頼まれたのがきっかけでした。
私は、ルナ君が7・8歳頃に出された本を4・5冊くらい読んでもいましたし、その本で、私が忘れかけていた大事なことも気づかせてもらっていたので、快く引き受けました。
ルナ君が10歳くらいだったかと思いますが、初対面の時は非常に緊張いたしました。
マッサージ店でお母さんとルナ君にお会いしました。(会話は文字盤を使って、お母さんがルナ君の腕を補助しながら行います。)
私が緊張していますとおもむろに、“あまり緊張しないで下さい、たかが脳障害児ですから”と言っていますとの事。
私がお母さんに“本の内容で、数学が好きだと書いてありましたが・・・”と聴きましたら、“私の大学時代の数学は全て理解しているようです。”との事。
また、“外国語はどうですか・・・?”の問いには、“約20カ国語を理解しているようです。”とのことでした。
このイスが完成したのは、その年の12月後半頃だったと思います。
お母さんからは非常に喜んで頂き、後にルナ君の新しい本をプレゼントしていただきました。
また、“このイスが無かったらこの本は書けなかったでしょう。”と嬉しい言葉も頂きました。
その年の一番良い仕事でした。
来年早々には、当社のホームページでルナ君の椅子をみられた、やはり障害を持っておられる子供さんが、大人になってからでも使えるサークルベットを造ります。
* イスの使い方。
背もたれに背を向けて、長い座面をまたぐように座ります。
ルナ君を横抱きの格好で抱え込み、片方の手は文字盤を持ち、もう片方の手でルナ君の手を補助しながら会話を致します。
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