押し入れを仏壇収納に
和室の押し入れスペースに、お手持ちの仏壇をいれるための収納スペースを
作って欲しいというご依頼でした。
〈工事前〉
〈工事後〉
じつはお手持ちの仏壇はいれず、新規で仏壇スペースを設けて製作しました。
お手持ちの仏壇の想い入れも確認しながら一応、
”仏壇スペースを新規で作られてみるのはいかがですか?” と、
ご提案させていただいたところ ”作れるんですか!?” というご感想でした。
いまある仏壇をどうしようとお悩みだったので、”作る”というのが盲点だったそうです。
よりすっきりとなり、収納が広く使える仏壇スペースになりました。
中央の両開き扉は、180度開くようになっています。
普段、扉を開けていても意匠性が損なわないような金具を選定しました。
スイッチも目立ちづらいものを選定し、調光ができるようになっています。
非接触式の触らなくても操作できるスイッチにしました。
材質は天然木ブラックウォールナット材を板目ランダムで製作しました。
板目・柾目・ランダムの木目を確認してもらい、経年が経った和室に馴染みそうなランダムとなりました。
仏壇スペースの天井面の2段格子としています。
照明器具の大きさや配置を考慮していくと、ただの格子ではバランスがとりづらく、
どうやったら照明器具が目立たないようにできるかを検討しました。
格子裏に照明器具を設置するかも考えましたが、内部が濃い色となるので、
明かりをつけた時に一切の影が生じない明かりを重視しました。
太い部材と細い部材との組み合わせた2段格子にすることで、表に見えてくる
照明器具のサイズ感とバランスがとれるようにしました。
上段の左右は収納スペースとしています。
下段は既存の壁面をそのままにし、スペースの最大限に有効活用できるように、
これまでの使い勝手がかわらないようになっています。
押し入れなので”中段”と呼ばれる棚がついていましたが、
これは解体しないのでじつは残しています。
中段の上に家具をのせながら固定し、中段正面はブラックウォールナット材を
取り付けることで見た目にわからないようにしています。
今回、お客様から初回相談時にメールいただいた資料はとてもわかりやすく、
建築のお仕事をされていたのかなと思うほどでした。
照明器具用の電源コードはお隣りの部屋から壁内を通してもってきています。
そうした事への対応もいただいた情報が豊富だったので悩む事なく解決できました。
『決定するまでのその他』
※ご興味ある方は文章長いですがお読みいただけましたらです。
お客様からのはじめの連絡は、ホームページからお問い合わせメールをいただきました。
お手持ちの仏壇をいれる収納がほしく、和室の押し入れを部分リフォームされたいご要望でした。
現状の写真と、弊社の施工事例の中からこういう感じの家具にしたいとメールにあり、
ご希望がとてもわかりやすかったです。
リフォームについては、お線香を使うのでその煙のための換気扇をつけたいお話でした。
まだお伺いする前の概算価格の段階でしたので、家具とは別に、
換気扇を設置するためのリフォーム費用をまとめまずはの概算御見積書を提出。
その際、お線香は無香料の商品がある事や、電気式で火をつけないろうそくについてなど
ご参考までにお伝えしました。
換気扇1つつけるために、ダクトをどのようにつけるかが必要になります。
そして外壁のどこから排気させるかも必要となります。
そして見えてしまうダクトを隠すための壁を作り、クロス工事も必要となります。
その後のメールで安全性から火をつけてのお線香ではなく、電気式の商品にされると言われました。
上記から換気扇は不要となり、押し入れ部分に家具だけ設置するお話となり、
実際のお住まいに訪問させていただく事となりました。
家具だけになりましたが家具内部に照明器具をつけるため、その電源をどこからどのように
もってくるかの確認や、材質についてなどお話させていただきました。
照明器具の電源は室内からだと離れた場所から、露出してくる配線になってしまい、
候補として室外の廊下側。もしくはこのお部屋の背面のお部屋から、壁 or 天井から
通していく方法として、あとは実際の工事の時に背面壁から一切、表には配線がでないよう
うまく壁内でコードを通していく処理ができました。
当初はこの家具の下側には箱を作って設置する想定でした。
しかし、作図しながら現在よりも下側の収納がどうしても小さくなってしまう為、
箱を作らなずに扉だけ設置できるプランもご用意いたしました。
こちらの案で減額もできる事から喜んでいただきご決定となりました。
実際の工事は単純に扉だけつけるだけ。とはいかない為、現地で微調整できるよう
設置上の工夫した部材をいくつかご用意しながら取付いたしました。
仏壇の扉はじつは180度開く丁番を使用しています。
家具の色にあうものがあり、普段は扉を全開にされていても金具の見た目が
おかしくないように選定しました。
仏壇内の天井面の格子デザインと照明器具はご予算内でお任せいただいたので、
金額以上のものをご用意しました。
本当は調光不要のお話でしたが、調光しない場合はいちばん明るい色になるため、
明るすぎる時に困ってしまうので暗くもできるように調光できる商品にいたしました。
設計上はいろいろと悩みながらでしたので時間がかかりましたが、
取付工事はとてもスムーズにいき、1日作業とお伝えしていたところ、
3時間ほど前倒して終了する事ができました。